POSレジと買取店の基幹システムの違い
小売店のPOSレジは、商品を売った瞬間を起点に作られています。商品の登録が先にあり、売れたら在庫が減り、売上が立ちます。買取店では順番が逆で、お客様から品物を買い取った瞬間に、商品も在庫も原価も初めて生まれます。しかもその瞬間に、古物営業法が求める本人確認と古物台帳への記録が重なります。
販売を起点にした仕組みに買取の機能を足すと、買取の記録と古物台帳、在庫、現金の出入りが別々の画面や別々のファイルに分かれやすくなります。店舗が1つなら店長が頭の中でつなげられますが、店舗が増えると、本部が見ている数字と現場の実際が少しずつずれていきます。
| 販売を起点にした仕組み | 買取を起点にした仕組み | |
|---|---|---|
| 商品が生まれる時点 | 仕入れ・商品の登録 | 買取の確定 |
| 原価 | 仕入れ値として後から登録 | 買取金額がそのまま原価になる |
| 法令上の記録 | 対象外か、別の帳簿 | 確定と同時に古物台帳になる |
| 現金の動き | 売上で入ってくる | 買取で出ていき、売却で戻る |
買取店の業務の流れと、記録がつながる場所
買取店の業務は、おおむね次の順に流れます。基幹システムの良し悪しは、この流れの中で同じ内容を二度入力する場所がいくつあるかで見分けられます。
- 受付:お客様の情報と来店の記録。2回目以降の来店なら、過去の取引を引き継ぐ
- 本人確認:身分証で住所・氏名・年齢を確かめ、職業は申告を受けて、確認の方法を残す
- 査定と確定:品目ごとに金額を決め、お客様の承諾を得て確定する
- 古物台帳:取引の年月日、品目と数量、特徴、相手方、確認の方法を記録する
- 在庫:商品管理番号を付けて棚に入れ、店舗間で移動し、出品する
- 売却:売り先ごとに売った品と金額を記録し、入金を確かめる
- 現金:買取の支払いで出た現金と、手元の残高を毎日突き合わせる
- 数字:店舗別・担当者別に、買取金額・成約率・粗利を見る
このうち2から4は、法律上も一続きの記録です。受付で入れた内容がそのまま古物台帳になり、確定した品目がそのまま在庫になる形であれば、転記の手間と写し間違いが同時に無くなります。
多店舗の本部が導入前に確かめたい項目
店舗が増えた買取店の本部が困るのは、機能が足りないことよりも、記録が気づかれないまま変わることと、店舗ごとの違いが見えないことです。導入前のデモでは、次の点を実際の画面で確かめることをおすすめします。
- 受付の入力がそのまま古物台帳になるか。台帳だけを別に作る作業が残っていないか。法律が求める項目と、確定後の修正の扱いは古物台帳の電子化にまとめています
- 買い取った品に商品管理番号が自動で付き、値札のバーコードやQRから呼び出せるか。店舗間の出荷と受け取りが記録に残るか
- 現金払いの買取が出納帳に自動で載り、毎日の締めで差が出るか。締め方は買取店の現金管理にまとめています
- 修正・取消・締め戻しのような記録を変える操作を、管理者だけに分けられるか。手口ごとの防ぎ方は買取店の不正を防ぐにまとめています
- 店舗別・担当者別の数字が、日々の入力からそのまま集計されるか。集計のための作業が残っていないか
- 解約するときに、古物台帳を含むデータを書き出して受け取れるか
電磁的方法で記録した古物台帳は、記録をした日から3年間、営業所で直ちに書面に表示できるようにして保存することが法律で求められています(古物営業法第18条第1項)。システムを替えるときにも、過去の記録を書面に出せる状態で持ち続ける必要があります。
記録が一つにつながると変わること
記録が一つにつながっていると、本部の仕事は「集めること」から「比べること」に変わります。各店から日報やファイルを集めて合計する作業が無くなり、どの店舗で成約率が落ちているか、どの担当者の粗利が高いかを、その日のうちに確かめられます。
不正やずれへの気づき方も変わります。金額の修正、取消、現金の締め戻しが記録に残り、本部の監査の画面に重要度ごとに並べば、問題が起きてから調べ始めるのではなく、起きた日のうちに気づけます。
En+ リユースの考え方
En+ リユースは、買取を起点に、古物台帳・在庫・売却・現金・数字までを一つの記録でつなぐ、買取店のための基幹業務システムです。買取専門店エンクルで本番稼働しています。機能の全体は機能一覧に、本部の数字の見方は分析に、不正とずれの見つけ方は監査にまとめています。