古物台帳に記録する項目
古物商は、売買や交換のために古物を受け取ったり引き渡したりしたとき、その都度、次の事項を帳簿等に記載するか、電磁的方法で記録しなければなりません(古物営業法第16条)。
| 項目 | 中身の例 |
|---|---|
| 取引の年月日 | 買取を確定した日 |
| 古物の品目及び数量 | 腕時計1点、指輪2点など |
| 古物の特徴 | ブランド名、型番、シリアル番号、色、傷の有無など、同じ品と見分けられる情報 |
| 相手方の住所、氏名、職業及び年齢 | 本人確認で確かめた内容 |
| 本人確認の措置の区分 | 運転免許証を確認した、署名のある書面を受け取った、など |
特徴の欄は、後から盗品の照会(品触れ)が来たときに、その品を持っているかを答えるための情報です。品名だけでは照会に答えられないため、型番やシリアル番号のように個体を特定できる情報を残しておく必要があります。
本人確認を省ける取引と、省けない品目
古物を買い受けるときは、相手方の住所・氏名・職業・年齢を確かめるため、身分証による確認や、署名のある書面の受領など、法律が定める措置のいずれかをとらなければなりません(第15条第1項)。ただし、対価の総額が1万円未満の取引は確認を省けます(第15条第2項第1号、古物営業法施行規則第16条第1項)。古物台帳への記録も、確認を省ける取引では要りません(第16条ただし書)。
1万円未満でも確認と記録を省けない品目が、施行規則で決まっています(施行規則第16条第2項)。買取店で扱うことの多い品目も含まれるため、金額だけで判断する運用は危険です。
- 自動二輪車と原動機付自転車(部分品を含む)
- エアコンの室外機と、電気温水機器のヒートポンプ
- 家庭用ゲーム機のソフト
- CD・DVD・ブルーレイなど、光学的方法で音や映像を記録した物
- 電線
- 金属製のグレーチング
- 書籍
自分が売った品を、同じ相手から買い戻す場合も確認を省けます(第15条第2項第2号)。また、買い取ろうとする品に不正品の疑いがあるときは、ただちに警察官へ申告しなければなりません(第15条第3項)。
電磁的に記録するときの保存の条件
電磁的方法で記録した古物台帳は、記録をした日から3年間、営業所で「直ちに書面に表示することができるように」して保存しなければなりません(第18条第1項)。システムに入っているだけでは足りず、警察から求められたときに、その場で画面に出し、印刷できることが条件です。
記録を壊したり失ったりしたときは、ただちに所轄の警察署長へ届け出る必要があります(第18条第2項)。システムを使う場合は、障害や解約で記録を失わないよう、控えの取り方と、解約時にデータを受け取れるかを契約の段階で確かめておくべきです。
システムで管理するときに確かめたい点
法律の要件を満たすことに加えて、実務では次の点が古物台帳の信頼性を左右します。どれも、紙の帳簿では起きにくく、システムで管理したときに初めて起きる問題です。
お客様の情報を直しても、過去の台帳が書き換わらないか
顧客の住所や氏名を1か所で管理する仕組みでは、引っ越したお客様の住所を直すと、過去の取引の古物台帳まで新しい住所で表示されることがあります。古物台帳は取引の時点の事実を残すものなので、確定した時点の相手方の情報を、取引ごとに控えておく形が望ましいといえます。
確定した取引の修正と取消が記録に残るか
確定後に金額や品目を直したとき、変更前と変更後、操作した人と日時が残るかを確かめます。取消した取引の番号を欠番として残す仕組みであれば、番号の抜けから取消の有無を後から追えます。
受付の入力と台帳が二重になっていないか
受付で入力した内容を、台帳用のアプリやファイルに入れ直している場合、写し間違いが起きるうえ、どちらが正しいかが分からなくなります。受付の入力がそのまま古物台帳になる形が、手間と誤りの両方を減らします。
En+ リユースでの古物台帳
En+ リユースでは、受付と本人確認の入力が、確定と同時に古物台帳になります。確定した時点の相手方の情報は取引ごとに控え、確定した日の翌日以降に顧客情報を直しても、過去の台帳の記載は変わりません。確定済みの取引の修正・取消は、操作の記録が残せなければ実行されません。詳しくは業務の自動化と監査をご覧ください。
この記事は、2026年10月時点の古物営業法と古物営業法施行規則の条文をもとにしています。個別の取引の扱いは、営業所を管轄する警察署にご確認ください。